FXの買い・売りと損益|1円動くと、いくら変わる?
はじめてのFX・第2回
FXは、買ってから売ることも、売ってから買い戻すこともできます。取引を終えたときの価格の差で、利益や損失が生まれます。
ドル円を1,000通貨取引する例で、注文画面から順番に見てみましょう。数値・画面はすべて学習用の仮定です。現在の相場や売買のおすすめではありません。この記事の損益は、スワップ・別途の手数料・税金を除いています。
注文パネルには、2つの価格がある
ドル円(USD/JPY)の「買い」は米ドルを買って日本円を売ること。「売り」は米ドルを売って日本円を買うことです。売買するのは、通貨ペアの先に書かれた通貨と覚えると、画面を読みやすくなります。
- 売るときは、売値(Bid)。この画面では150.000円です。
- 買うときは、買値(Ask)。この画面では150.020円です。
- 数量は1,000通貨。ドル円では「1,000米ドル分」の取引で、1,000円分ではありません。
ボタンの色や配置、Lotの単位は取引サービスによって違います。色だけで判断せず、「売」「買」と数量の表示を確認しましょう。
買い:買った価格より高く売れれば、利益
150.020円で1,000米ドルを買い、その後、売値151.020円で取引を終えたとします。取引を終えることを決済といいます。買いで始めた取引は、売って決済します。
買いの為替損益=(決済で売った価格 − 最初に買った価格)× 通貨数
この例は(151.020 − 150.020)× 1,000 = +1,000円です。
反対に、売値149.020円で決済すると、(149.020 − 150.020)× 1,000 = −1,000円。買った価格より安く売ると、損失になります。
売り:売った価格より安く買い戻せれば、利益

えっ、ドルを持っていなくても売れるの? どういう仕組みなのかな?

うん。FXは、取引の差額をやり取りする仕組みなんだ。売りで始めたら、後で買い戻して取引を終えるよ。

あ、そっか! 売ったあとに買い戻すんだね。順番が逆になるって考えたら、分かってきたかも!
今度は、150.000円で1,000米ドルを売って始めます。その後、買値149.000円で買い戻すと、1米ドルあたり1円の差が利益になります。
売りの為替損益=(最初に売った価格 − 決済で買い戻した価格)× 通貨数
この例は(150.000 − 149.000)× 1,000 = +1,000円です。
反対に、買値151.000円で決済すると、(150.000 − 151.000)× 1,000 = −1,000円。高く買い戻すことになると、損失になります。
決済は「持っている取引を終える」操作
まだ決済していない取引を「ポジション」と呼びます。決済するときは、保有ポジションを選び、決済注文を出すのが基本です。実際の操作は各サービスで確認してください。
反対方向の「新規注文」を出すだけでは、元の取引が終わらず、買いと売りを両方持つ状態になる場合があります。「新規」と「決済」を区別しましょう。
取引直後のマイナスは、2つの価格の差

あれ? 買ったばかりなのに、もうマイナス……? レートは動いていないのに、どうして?

買う価格と売る価格に差があるからだよ。最初の画面では150.020円で買えても、すぐ売る価格は150.000円。この差を「スプレッド」というんだ。
最初の画面の価格が変わらず、その価格で決済できたとすると、(150.000 − 150.020)× 1,000 = −20円です。買値と売値の差0.020円(2銭)が影響しています。
注文が実際に成立することを「約定」といいます。実際に約定した買値・売値で損益を計算すれば、スプレッドの影響はすでに含まれています。 同じスプレッドを、さらにもう一度引く必要はありません。
「1円動いた」の影響は、通貨数で変わる
ドル円では、取引を始めた価格と決済した価格の差が同じ1円でも、数量によって金額が変わります。
- 1,000通貨なら、損益の大きさは1,000円。
- 10,000通貨なら、損益の大きさは10,000円。
数量が10倍になれば、利益だけでなく損失も10倍です。「何円動いたか」と「何通貨取引したか」を、一緒に確認しましょう。
この円での計算はドル円などの対円ペアのものです。ユーロドルの為替損益は米ドル建てなので、そのまま円の損益にはなりません。
画面の損益と、決済後の損益を分けて見る
保有中に表示されるプラス・マイナスは評価損益です。決済前なので、相場が動けば変わります。実際に決済した価格で、その取引の為替損益が決まります。
相場の急変などでは、画面で見た価格や希望した価格で約定しないこともあります。FXでは預けた証拠金以上の損失が生じる場合もあります。別途の手数料やスワップを含めた最終的な金額は、取引明細で確認してください。
最後に、2つだけ練習
ここでは、書かれた価格で実際に約定したものとして計算します。
Q1. ドル円を150円で2,000通貨買い、149.50円で売って決済。為替損益はいくら?
答えを見る
−1,000円です。(149.50 − 150)× 2,000 = −1,000。0.50円の値下がりでも、2,000通貨なら損失は1,000円になります。
Q2. ドル円を150円で1,000通貨売り、149円で買い戻して決済。為替損益はいくら?
答えを見る
+1,000円です。(150 − 149)× 1,000 = 1,000。売りは、売った価格から買い戻した価格を引きます。
覚えるのは「方向・価格差・通貨数」
- 買いは、買った価格より高く売れれば利益。安く売れば損失。
- 売りは、売った価格より安く買い戻せれば利益。高く買い戻せば損失。
- 損益の金額は、価格の差と通貨数で変わる。
損益シミュレーターでは、開始150円・決済151円・1,000通貨を入力し、買いと売りを切り替えて確認できます。

